反省会

怨念を払う

高専に向いていなかった話

 

自分は関東圏の工業高等専門学校高専)に通っていた。

数年前に卒業したのだが、卒業シーズンでもあるし今回は高専での5年間を振り返ってみようと思った。

全然書くことがまとまらないと思うが、自分が高専を体験してきたことを残すことでだれかしらの参考になればと思う。

あまり参考にならないような気はするが、高専は素晴らしい学校であると信じて疑わない大人や中学生は、こういう例もあるんだということを知ってくれればと思う。

 

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私は情報系の学科に所属していた。

最初は高専という学校での生活に対して希望にあふれていたと思う。

残念なことに、学年が上がり専門教科がだんだんと増えたころには専門教科が向いているとも思えず、理解も追いつかないような状況になっていた(あんまり記憶がない)。

何度も留年しそうになったし、学校を辞めたいと思っていたが、まあ何とか5年で卒業はできた(させてもらえた)。

後戻りできなくなってから、私はこの学校に“向いている”人間ではなかったのかな、と思った (しかし、何にしろ勉強(努力)が足りなかったとも言えるので高専だけのせいにしている訳ではない)。

 

*中学生のころ

当時何かのきっかけで高専という学校の存在を知り、中学生だった自分にとって普通高校より魅力的に見えた。中三の私には情報工学というものがとてもかっこいいものに見えて、特にプログラミングが趣味だったとか、パソコンいじりが好きだったとかそういうわけでもなく、なんとなく学科を選んで志願書に書いたような記憶がある。こういう学科の選び方は一番よくないと思う。

 

私のいまの考えとしては、ほんわかとした何となくの理由でしか学科を選べないような、自分がそれについてほとんど何も知らないレベルなら、高専にこだわる理由もないし、高専ではなくて普通高校に行ったほうがいいのではないかと思う。

 

ロボット作りたいとか、プロコンに出たいとか具体的な目標があって、それが楽しめたとしたら高専はすごくいい環境だと思う。

就職が簡単だから、大学編入楽だって聞いたから、みたいな人にはあまりオススメできないかなあと個人的には思う。

 

 

*学校生活

私の通っていた高専は、だいたいどのクラスも数人しか女子がおらず、そのうえ何故かオタクっぽいのばっかりで可愛い子はほとんどいなかった(失礼)。可愛い子はだいたい彼氏がいたし、女の子と喋らなさ過ぎて喋り方を忘れた。

 

彼女がほしい、普通高校行っていれば彼女が出来たかもしれないと嘆く人もいたが、だいたい男子もオタクっぽいのばっかりだし、自分も例外ではなかった。

何故か高専はどっかしら変な人間が多いが、趣味が合う人は割といて、その点は過ごしやすかったかなと思う。

 

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グループでゲームを作るという授業があったが、だいたいどこのグループも出来る人がほぼゲームを作り上げて、残りはほぼ見守る係という状況になっていたことがある。

 

授業では作り方を教えてくれるわけではなくて、ある程度のプログラミング能力があるという前提で、グループでゲーム設定から考えて協力しろという感じだったが、クラス内でプログラミングの能力にかなり差があったし、1人で作ったほうが楽!とか言い出すのでグループにする意味が全くなかったと思った。 

 

4、5年になったら専門教科ばかりで、専門が全然楽しくない私にとっては苦痛でしかなかった。

 

課題は出したり、出さなかったりした。単位さえ取れればいいと思っていたし、それほど真面目に勉強もしていなかったので理解できなくなるのは当たり前だった。 

 

専門教科がすごく得意な人も割といて、そういう人は授業レベルではつまらなそうにしていたし、課題をぱぱっと終わらせてさっさと帰っていた。

 

苦手な人はもはや説明を聞いても意味が分からないので、できている人に聞くか、見せてもらうか、どうにかするしかなかった。

 

 

 *留年

 五年間で初期のクラスメイト(オリジナルメンバー)40人のうち約四分の一消えたにも関わらず、卒業時には初期の人数に戻っていたりした(落ちてきた人が多かったので)。

留年、退学、休学していつの間にか辞めていたり、いろいろいた。

5年間クラスの人数は増減が激しく、そのせいで一つ上の代は卒業時30人を切っていたような記憶がある。

 

過去に一時期60人近く人数が増えてしまったクラスがあって、いろいろと大変なことになったという話も聞いたこともある。

 

中学生の時に、高専って割と留年するということを聞いたことはあったが、こんな状況はさすがに想像もつかなかった。

 

あの頃自分は「留年なんかしない、するわけない」と思っていたような気もするが、結局留年しそうになったことがあるので普通高校では考えられないぐらいに留年がすごく身近に起こり得ることだと身をもって知った。

 

 

留年した後に辞める人も多かったが、進路変更して違う学校に行きなおしたり、就職したり?高専にいたころより生き生きしている知り合いも多かった。

本当に高専が辛ければ、辞めたほうが幸せになれる道もあるのだから、あまり思い詰めないで、先人に相談したりいろいろ考えてみたらいいのかなと思った。

 

 

*自殺

高専在学中、自殺した人がいて全校集会でお話があったりした(その件に関して、SNSなどで公言するなと釘を刺されたりした)。また、それ以前にも5つくらい上の代にも自殺した人がいたとか、寮でも何人か死んでるとか噂レベルの話はわりと聞いた。もっといるんじゃないかとも思う(高専隠蔽工作が得意なので)。

 

どっかの高専でもアカハラ問題が話題になったし、高専に関係する事件は調べたら出てくると思う。

 

こんなに頻繁に自殺の話が出るものなのかどうなのかと思うし、かなり問題だと思うのだが。高専は異常なところだったんだと後々思った。

 

 

*進路の話

5年になり、4月からクラスメイトが続々と就職を決めたり、大学に合格したりしているなかで自分は進路が決まるのが遅かった。

そのときの担任はホームルームの時にさりげなくまだ決まってない人間がいると話をするし、だいたい誰が決まっていないかもわかるので、それも嫌だった。

 

まあ、その時はクラスメイトより数か月、進路が決まるのが遅いぐらい大したことないと思ってあまり気にしないように心掛けていた。

(自分の進路については詳しく記述はしないが、就職と進学について主観的な意見もあるし、学校にもよるので参考程度に留めてほしい。)

 

 

私のいた高専では、学校の推薦をもらえば(推薦で受けられる会社は)だいたい受かるといわれてた。実際よっぽどやばい人でない限り受かっているような印象を受けた(落ちた人もいた)。

 

秋ごろまで就活を続けているひともいたけれど、そういう人は、レベルの低い地方の私立大学の編入を勧められていた。

 

よく高専からの就職率は100%です!と謳っているが、進級できない人間は5年までにふるいにかけられるし、いくら就活しても内定もらえない人間は私立大学に送り込まれる。進路未定者がいたりすると100%にならないけれど、就職率100%に近いことにはなるので嘘ではないというカラクリかーーと5年になってからやっと気が付いた。

 

 

名の知れた大企業に就職することもできるのは確かだが、そういうところに内定取れるのはだいたい成績優秀な人が多かったし、大企業だからといって高専卒では給料がいいわけではないところも多かった。大企業の実は子会社のよくわからない部門だとか、最初の説明会などで全く口にしなかったようなことを内定後に言ってくる企業とか(高専卒に限らずか…)。

クラスメイトは情報関係の企業に就職する人が多かったけど、全く関係ないところに就職した人も割といた。

 

 

進学は、毎年国立大学に編入する人が何人もいるのは確かだが、常に成績上位者が推薦もらうか、頭良くて成績上位者が一般試験受けるか、相当頑張って勉強してるかだと思う(普段から成績があんまりよくなかったりする人は就職勧められるだろうし、進学を目指す人も少ない?)。

 

レベルの高い国立大学への編入はどこも倍率が高くて大変(そりゃそうだ)。

 

真剣に編入を考えている人は、早い段階で(低学年のうちから)編入試験について調べていたり、勉強を開始していて、そういう人がちゃんと国立に受かっていたと思う。

インターネットには心優しい方々による編入レポがあったりするので参考にしよう。

 

また普段から成績も上位というわけでもなく、地方国立も受からないような人は、地方の私立大学(主に工学部とか、理工学部とかがあるような大学)に編入をしていたと思う。

実際、小論文や面接だけの学校もあるので大学を選ばなければどんなに成績が悪かったとしても進学することは可能らしい。

 

 

 *体調を崩した話

5年になってからは色々あり体調を崩した時期があって、結構辛かった。

単に体調不良というわけでもなくプライベートな話を教員に相談する気にもならないし、したところでどうにかなる問題でもないことはわかっていた。

 

それはただの甘えで、気持ちのたるみで、生活態度が悪いからで、言い訳に過ぎないといわれてもどうしようもないが。

はたから見ればただのサボりに見えるのは当然で、私も仕方がないとは思った。

 

いろいろ辛かったけど、卒業を目標になんやかんやで乗り切った。

 

 

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だいぶ長くなったので、自分の反省もふまえて総括

 

高専を目指す中学生などへ

・自分は高専に本当に行きたいのかもう一度考えてみよう

・志望するなら、学科は真剣に悩もう

・たとえ中学のときに頭がよかったとしても、入学してから勉強は怠らないようにしよう

・ストレスの発散できる場所(物、ゲームとか)を作ろう(かといってゲームし過ぎて留年した人を知っているのでほどほどにしよう)

・たとえ留年したとしても、進路が決まらなかったとしても、思い詰めず前向きに生きよう

・体調を崩したり、うつ病になったりしたらきちんと病院に行こう

 

頭が悪い人間の一例として、このブログが誰かの参考になればと思う。

高専にいると、視野とか考えが狭くなりがちだけれど、ツイッターとかゲームばっかりしていないでたまにはお外で遊んだほうがいいと思う。

 

また、ブログ読んでくれた高専生が楽しい学校生活を送れることを願っているが、そうもいかないこともあるので、自殺するとか極端なこと考えないで、どうにか幸せになってほしい。